還暦を機に始めた撮影トレッキングに行ったネパールヒマラヤ・パキスタンカラコルム・ヨーロッパアルプス・日本アルプスなどの山岳写真のほか内外の風景写真を掲載しています。


by chusan8611
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(49)四姑娘山花紀行2006

CHUSANの写真ブログ《 感動発信! 感動共有! 》
NO49:四姑娘山花紀行2006
~色とりどりのケシの花たちとの出会い~

ヒマラヤ巡礼のトレッキングでの一つの楽しみは、いろんな高山植物が乱れ咲く《天空のお花畑》での撮影やお花たちとの出会いです。1997年からはじめた私の《ヒマラヤ巡礼》は、世界一美しい花の谷の《ランタン・コーラ(谷)》でした。この谷で出会った黄色いケシやエーデルワイス、黄色いサクラソウなどは、大変に強烈な印象を私の脳裏に焼き付け、その後《ヒマラヤン花トレッキング》へと引きずり込んでくれました。

ランタン谷から出発したヒマラヤの花旅は、ブルーポピーの群生地として名高い《ゴーキョピーク5300m》へと続き、この極寒の谷で出会った《青いケシ》や《エーデルワイス》、《サクラソウ》はまさに圧巻で、とくに、ヒマラヤンブルーに染まる青いケシとの感激的な出会いは最高でした。ネパールのゴーキョの谷に咲くケシは、青色だけでしたが、中国横断山脈の四川省・巴朗山峠4300mには、赤や黄色、紫色などのケシたちが咲き乱れているとの情報が入り、2006年夏に漸くケシたちとの出会いを果たすことができました。本グログでは、その花旅で出会った高山植物のいくつかを投稿してみました。

なお、いままでのヒマラヤ巡礼・花旅で撮影し本ブログに投稿したヒマラヤの花は、
*NO3:四姑娘山の青いケシ(2006-09-09投稿・カテゴリ:高山植物)
*NO4:ヒマラヤの青いケシ(2006-09-10投稿・カテゴリ:高山植物)
*NO34:ランタン・コーラ花紀行1997(2008-07-02投稿・カテゴリ:ヒマラヤトレッキング)
などをご覧ください。

さらに、この作品はいずれもデジタルカメラ:ニコンD200で撮影したものです。なお、前記*NO3:四姑娘山の青いケシ(2006-09-09投稿・カテゴリ:高山植物) *NO4:ヒマラヤの青いケシ(2006-09-10投稿・カテゴリ:高山植物)*NO34:ランタン・コーラ花紀行1997(2008-07-02投稿・カテゴリ:ヒマラヤトレッキング)の作品は、いずれもフィルムカメラ:ニコンF5で撮影しました。

また、高山植物の名前などは門外漢の私ですから、花の名前の特定については、私のヒマラヤ蔵書の中から。次の書籍を参考に、色や形、自生地などを参考に特定しました。誤りがありましたら是非ご指摘ください。
 *参考文献 「ヒマラヤ植物大図鑑」 吉田外司夫 山と渓谷社
         「花のヒマラヤ」 吉田外司夫 平凡社
         「世界の名峰:花巡礼」 白簱史朗 新日本出版社
         「世界の山草:野草」 富山稔&森和男 NHK出版
         「ヒマラヤ:ランタン花紀行」 高橋佳晴 誠文堂新光社
         「ブルーポピー:ヒマラヤを彩る幻の青」 藤田弘基 講談社
         「花の名前の手帳」 夏梅睦夫 ブティック社

      2009-8-19  加藤忠一記

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01*霧のお花畑:中国・四川省・巴朗山峠3900m*巴朗山峠へのルートは、四川省州都の成都から一泊二日の行程となる。高山植物の開花時期は7月中旬から8月中旬の一カ月という。私の訪れた7月中旬はケシの花たちは多少盛りを過ぎた感があったが、その他の花々は、最盛期といった頃であった。ただし、この時期はモンスーン(雨季)のため、快晴に恵まれるのは少ないという。私の訪れた午前中も生憎の霧で花咲く斜面が覆いつくされていた。

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02*色とりどりの花咲く斜面:中国・四川省・巴朗山峠3900m*高山植物たちは雨や霧から水分を摂り生長するので雨や霧は仕方ないが、霧の花斜面に咲き乱れる色とりどりの花々はむしろ幻想的である。

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03*アヤメの仲間(イリス・プレヤナ:アヤメ科):中国・四川省・巴朗山峠3900m*ヒマラヤや中国横断山脈の2500mから3500mの日当たりのよい草原地帯にはアヤメの仲間が群生している。水分さえ十分なら、比較的急な斜面にも見られるという。


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04*シオガマの仲間:中国・四川省・巴朗山峠3900m*草原の斜面一面にピンク色の花を咲かせ群生していた。マクロレンズで覗いてみるとバックが緑色にボケて色合いが美しい

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05*キンポウゲの仲間:中国・四川省・巴朗山峠3900m*緑色の斜面が広がるなかで、背丈の高い茎を伸ばし真っ黄色な花を二輪咲かせていた。

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06*草地に直立して咲くセリ科の植物(セリヌム・ワリキアヌム:セリ科):中国・四川省・巴朗山峠3800m*
草丈の短い花が群生している斜面に、1mほどの茎の上に見事な白い花を冠状に咲かせていた。山地から高山帯にかけて林緑の草地や村落周辺の牧草地に自生している。日本でも同じ仲間のミヤマシシウド(セリ科)を山地や里山などでもよく見かける。

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07*キランソウの仲間(アジュガ・ルプリナ:シソ科):中国・四川省・巴朗山峠3800m*花穂がピラミット状になる奇異な植物で、すぐに目にとまった。開花時の背丈は20~35㎝で茎は直立するという。

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08*コバイケソウ(ユリ科:シュロソウ属):中国・四川省・巴朗山峠3800m*実に見事な花弁の重なりである。たくさんの花弁が競い合って茎の外へ咲いていた。

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09*二輪並ぶコンロンソウ:中国・四川省・巴朗山峠3800m*緑色の大きな葉っぱを従え、ひょろりと伸びた茎の先にネギ坊主のような頭をつけ咲いていた。めずらしい花なので花名を地元ガイドに聞くと《コンロンソウ》という答えが返ってきた。

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10*エーデルワイスの仲間(レオントポディム・ヒマラヤヌム:キク科ウスユキソウ属):*ヨーロパアルプスなどでもエーデルワイスを見つけることが困難と言われているが、ヒマラヤやチベットではいたる所に自生している。数多いエーデルワイスの仲間の一種で、高山帯の岩の多い草地によく見られる。

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11*ケシの花咲く霧の斜面:中国・四川省・巴朗山峠4200m*巴朗山峠3800m付近の南斜面で低山性の高山植物を撮影後、今回撮影のメインポイントの巴朗山峠頂上近くの岩礫地斜面に移動したが、ここでも午前中は霧が立ち込め、ベールに包まれた花園であった。それでもよく見ると、赤いケシや黄色いケシが散見され、幻のケシたちとの対面となった。晴天下のきつい色合いより霧に覆われたケシたちのほうが幻想的である。

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12*ガレ場に咲く赤いケシたち:中国・四川省・巴朗山峠4200m*ケシの花が群生する斜面は、岩礫地でしかも急斜面であるため登るのがきつい。ケシの花たちは、岩礫の間のわずかな地面に自生している。

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13*岩礫地に咲く青いケシたち:中国・四川省・巴朗山峠4200m*午後になると天気も快方に向かい、雲間から薄日も差し込んできた。青いケシを中心に形と色合いの良いポピーを求めてガレ場を上下する。

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14*青いケシ咲く岩礫地にてひと休み:中国・四川省・巴朗山峠4200m*撮影地に到着してすぐに、赤・黄色・紫・青のケシを求めて標高を忘れて撮りまくる。そのうち身体が動きづらくなりダウンしてしまう。カメラを放り出し斜面に座り込む始末である。息が切れ、頭痛と目眩に苦しんだが、ケシの花たちは、その苦労を補って余りある感激を私に与えてくれた。

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15*青いケシ(メコノプシス・ホリデュラ:ケシ科):中国・四川省・巴朗山峠4200m*撮影地の巴朗山峠に到着したとき、峠付近はまだ一面霧に覆われ、青いケシの花弁は霧の雫に濡れていた。ネパール・ゴーキョの青いケシに比べ背丈は高く、花の色は薄色である。

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16*赤いケシ(メコノプシス・プニケニア:ケシ科:中国・四川省・巴朗山峠4200m*今回最も撮りたいと思っていたケシである。 赤いケシの花は、岩礫の狭い間の空間に下を向いて、うな垂れた感じで咲いていた。葉にも茎にも毛が生え、なかなか愛嬌のある花で妖しい魅力を持った花色である。

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17*紫色のケシ(メコノプシス・ヘンリキ:ケシ科):中国・四川省・巴朗山峠4200m*紫色のケシは、草地に赤いケシを従え、一輪で5個の花をつけて背丈を伸ばしていた。触れると壊れてしまいそうに薄い大きな紫の花。すでに盛りを過ぎ、花弁は萎れかかっていた。

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18*黄色のケシ(メコノプシス・インテグリフォリア:ケシ科):中国・四川省・巴朗山峠4200m*赤や紫に比べ、この黄色いケシは、色つやもよく色濃くうつむき加減に咲き誇っていた。

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19*紫色のサクラソウ(プリムラ・ステノカリクス:サクラソウ科):中国・四川省・巴朗山峠4200m*この斜面には花数はそれほど多くはないが、色合いの見事な薄紫色の《サクラソウ》があちこちに咲き誇っていた。標高が高く空気が澄んでいるからであろうか。

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20*黄色いサクラソウ(プリムラ・シッキメンシス:サクラソウ科):中国・四川省・巴朗山峠4200m*数多いサクラソウの中でも、このサクラソウは、ネパールや中国ではいたる所に自生している。雨の多い亜高山帯や湿った高山帯草地に群生しているという。

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21*小川の辺に咲き乱れる菜の花たち:中国・四川省・日隆近郊3200付近*宿泊先の日隆から、サクラソウ群生地のお花畑《夾金森林公園4100m》までは3時間ほどの行程である。途中、いくつかのチベット村を通過し、羊たちの大横断などを撮影しながら進む。道沿いの小川の斜面では、菜の花が見事に咲き乱れていた。

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22*放牧地のお花畑:中国・四川省・夾金森林公園4100m*夾金森林公園4100mは広大な牧草地が広がり、この時期は、色とりどりの高山植物が咲き乱れていた。黄色い《キンポウゲの仲間》や小さな白い花をつけた《イブキトラノオ》が辺り一面を咲きつくし、何輪もの黄色い《サクラソウ》が林立していた。草地の奥では放牧された馬たちが草を食み、まさに「天上の桃源郷」の感であった。

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23*天空の花園:中国・四川省・夾金森林公園4100m*自然のすばらしさは、毎年、夏季になると必ずたくさんの花々で、この草原を埋め尽くしてくれることである。現地のガイドに、「疲れたので寝ころんで休みたいが・・」と申し出ると、「どうぞ思う存分に・・」との返事。さっそく寝ころんで、チベッタンブルーの青空をみながら甘い香りを思う存分吸い込んでみた。

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24*:ピンク色鮮やかなサクラソウたち:中国・四川省・夾金森林公園4100m*花園の撮影は、花の種類ごと・形ごとや色合いごとなども切り取って写してみた。ピンク色のサクラソウも色合いには濃淡があり、その絶妙な色配合が面白い。

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25*花の造形:中国・四川省・夾金森林公園4100m*花たちを斜めや真横と角度変えての撮影をしてみたが、真上から撮ってみたらその造形が意外と面白い。アズマギクの仲間の一輪を見つけ、大輪の《黄色》を中心に、サクラソウの《ピンク色》とイブキトラノオの《白色》を配色してみた。

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26*放牧地に咲くエーデルワイスの仲間:中国・四川省・夾金森林公園4100m*草地に咲くエーデルワイスの仲間は、標高が低いことや土壌が肥えていることなどから、草丈が20cmほどで、ヒマラヤの高地に咲くエーデルワイスに比べ背が高い。ネパールのゴーキョピークで撮影したエーデルワイスはわずか5cmと背が低く、全身を綿毛で覆っていた。そうしないと、極寒の高地(5000m)では生きることが出来ない。

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27*斜面に咲く一輪のアツモリソウ(シプリペディウム・コルガツム:ラン科アツモリソウ属):中国・四川省・双橋溝3700m*今回の撮影旅で是非撮影したいと思っていた花の一つが、この《アツモリソウ》であった。日本では「礼文アツモリソウ」がわずかに自生しているようであるが、ヒマラヤではネパール・シャンボチェ3900mの草地斜面で一輪だけ見つけ撮影したことがある。今回は、双橋溝の一番奥の草地斜面で幾つか咲いていたが、いずれも最盛期を過ぎ、残念ながら、形のくずれた花しか撮影できなかった。

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28*雪山の谷間に咲くキンポウゲの群落:中国・四川省・双橋溝3500m*双橋溝は海子溝と並び、四姑娘山山麓でも高山植物の多い所として有名である。九寨溝は谷の両側がハンターピーク(猟人峰)をはじめ5000m~6000mの雪山に囲まれたV字谷で大変に美しい。谷間の草原ではキンポウゲの花々に埋め尽くされ、放牧された馬たちが草花を食んでいて、まさに《桃源郷》の感がした。

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29*エーデルワイス咲く花園:中国・四川省・双橋溝3500m*双橋溝の中間点付近の草原ではあちこちにエーデルワイスが咲きのこっており(画面下中央)、その奥には6000m級の高峰が望見出来る。

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30*撮影スナップ:中国・四川省・夾金森林公園4100m*今回の撮影ツアーも私の所属するJAPA(日本山岳写真協会)、友山クラブの写友と個人ツアーを組んでの花旅であったが、多少、高山病に悩まされながらも実に楽しいツアーであった。それにしても、撮影ともなると息苦しさなど何処へやら、みなさんの真剣さと気力には脱帽である(写真画面右端赤いヤッケ姿が私)。   《完》
           
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by chusan8611 | 2009-08-19 20:07 | 世界の山岳風景