還暦を機に始めた撮影トレッキングに行ったネパールヒマラヤ・パキスタンカラコルム・ヨーロッパアルプス・日本アルプスなどの山岳写真のほか内外の風景写真を掲載しています。


by chusan8611
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(40)秩父夜祭2008

CHUSANのBLOG《感動発信!感動共有!》
NO40:秩父夜祭2008

京都祇園祭、飛騨高山祭と並び日本三大曳山(ひきやま)祭の一つと言われている《秩父夜祭》を撮影に行ってきました。この祭りは秩父神社の例大祭で、毎年12月3日に本祭りが行われ、300年以上の伝統ある祭りです。極彩色の彫刻で飾られ、華麗でしかも重厚な《笠鉾・屋台》が名調子の屋台ばやしに乗り、夜空を彩る花火の中で曳き廻される勇壮な祭りです。

この秩父夜祭の撮影は2004年にも行ってきたのですが、一般の観光ツアー(一泊二日)のため観覧席の予約もなく、また、宿泊地までの道路混雑から午後10時には出発してしまい、一番のクライマックス《打ち上げ花火と屋台勢揃い》も撮影できませんでした。そこで今回は、現地で12時間以上の「フリータイム」のある「はとバスツアー」で行き、たっぷりと撮影してきました。

しかし、大変な混雑で、(新聞報道によると今年はウイークデー・水曜日であったので約20万人の人出とのこと。祝祭日が重なると30万人近い人出だそうである)、《秩父神社》から秩父公園の《御旅所》に至る屋台巡行の道路は観光客で溢れ返り、手持ち撮影も出来ない状況です。そこで、屋台集合場所の秩父公園に特設された観光協会観覧席を予約するか、屋台巡行で一番の見どころである《団子坂》付近の私設観覧席を確保するか、いずれかの方法で撮影場所を確保しなければイメージ通りの撮影が出来ないことが分かりました。

そこで、当日の現地視察の結果、《団子坂》が一番の撮影ポイントと分かり、団子坂上の個人宅から私設観覧席を購入して撮影しました。観覧席料は1万円と高かったのですが、団子坂道路に面し各屋台が目の前を通過する絶好のポイントで思う存分の撮影ができましたし、屋台集合場所の《御旅所》もすぐ上で、打ち上げ花火を入れながらの撮影も楽しみました。

今年は、チベット方面が中国社会情勢悪化により外務省から渡航自粛が出されたため、2回予定していたヒマラヤ行きを延期しました。そこで、《日本祭りシリーズ撮影》を思い立ち、4月に《飛騨高山祭》、7月は《京都祇園祭》、8月は《青森ねぶた祭&秋田竿灯祭&仙台七夕祭》と祭りを《追っかけ撮影》してきました。そのほか《《諏訪大社御柱祭》なども撮影していますので、いずれ《日本の祭り》と題して写真展やホームページなどを公開出来ればと思っています。    2008-12-5  加藤忠一記

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01*秩父夜祭パンフレット*秩父観光協会で入手したパンフレットである。新聞やテレビの報道によれば、今年中に秩父夜祭を《世界無形文化遺産》として登録申請予定するそうである。


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02*祭り会場に向かうはっぴ姿の娘たち:国道299号線にて*屋台出発場所である秩父神社への道路は何処も祭り一色で飾られ、食べ物屋台やお土産露店がびっしりと立ち並んでいる。この時間帯(PM3:00)ではまだ人混みは見られないが、屋台巡行ともなると見物人でごった返し身動きも出来ない状況となる。

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03*秩父名物《いのしし肉》販売店:秩父神社通りにて*この日は商店にとっても一番のかきいれどきで、20万人近い客を呼び入れようと張りきって店の飾り付けをしている。いのしし肉は秩父名物で味噌づけや燻製肉などが店頭に並んでいる。

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04*中町会所の出番待ち:秩父神社通りにて*各屋台を出す町会の《会所》では屋台町内の人たちが景気づけの祝い酒を飲みながら談笑し、屋台出発までの時間を過ごしていた。

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05*腹ごしらえ:秩父神社通りにて*秩父神社通りには各屋台が陳列され、その前では屋台の引き手たちが食事をしながら出発準備に余念がない。この屋台は《本町屋台》である。

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06*練習:秩父鉄道・秩父駅前にて*秩父鉄道駅前には特設ステージが設けられ、子供たちの太鼓演奏など屋台出発まで見物人に各種演奏をサービスしている。

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07*秩父鉄道SL《秩父夜祭号》:秩父鉄道秩父駅にて*駅前にてスナップ撮影をしていると駅構内から秩父夜祭の特別列車SLが入線するアナウンスが聞こえたので、慌てて入場券を購入しホームへ行ってみると、やがて観光客を満載したSLが入ってきた。右側の踏切付近は見物人でごった返している。写真上部の山は秩父の名峰《武甲山》である。

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08*出番準備の宮地屋台:秩父神社にて*各屋台は所定の一時陳列場所からPM6:00から秩父神社へ一旦集合し、それぞれ順次、最終集結場所の《御旅所》まで巡行する。それまでは屋台の点検や最終調整に余念がない

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09*祭り衣装:秩父神社にて*屋台の乗り手や曳き手たちはカラフルな祭り衣装で着飾っている。巡行する6基の屋台それぞれの衣装を纏っている。この祭り衣装は《宮地屋台》であるが、屋台の飾りマークと同一でなかなか洒落ていた。首から下の衣装部分だけを撮影したら、「顔も入れてよ!」と催促された。

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10*御旅所のアトラクション:秩父公園御旅所にて*最終屋台集合場所の御旅所はPM6:30から観覧席券を持っていない人たちは入場できない。一般客の締め出された広場の特設ステ-ジでは、PM8:00過ぎの屋台入場まで《お神楽》や《大太鼓ショー》などが演じられていた。

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11*太鼓演奏:秩父公園御旅所にて*各町内会や秩父高校の生徒たちは、この夜の演奏を目指して練習を重ねたのであろう、じつに見事なショーを演じてくれていた。こうした《祭りの脇役たち》が祭りを盛り上げてくれる。

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12*秩父神社お神輿入場:秩父公園御旅所にて*秩父夜祭は《秩父神社》の例大祭であり、笠鉾・屋台の巡行に先立って、《神幸祭》の行列が先頭入場する。その最前列がこの《榊神輿》である。行列の最後に《神馬》二頭が何の予告もなく飛び出し走り去って行った。

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13*宮地屋台が行く:団子坂にて*秩父夜祭で巡行するのは、笠鉾2基、屋台4基の計6台である。いずれも絢爛豪華な山車で見事な彫刻と絨毯で着飾ったもの、しかも、いずれの山車とも《国指定重要有形文化財》である。これらの山車は屋台から「“ドドンコ“ドドンコ”」と勇壮な秩父屋台囃子が打ち鳴らされてくる。

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14*屋台と打ち上げ花火:御旅所にて*各屋台が団子坂を上り始めると、それに合わせて打ち上げ花火が上がる。団子坂は見物人の歓声と曳き手の掛声、花火音、屋台囃子などで最高の盛り上がりを見せてくれる。

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15*屋台と打ち上げ花火:御旅所にて*打ち上げ花火は尺玉を含め約5700発も打ち上げられる。この《秩父夜祭花火》は、日本では数少ない冬の花火大会として全国的に知られている。艶やかな山車と上空で炸裂する花火との取り合わせは、ひときわその場を華やいだものにしてくれる。

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16*中町屋台綱曳き隊:団子坂にて*秩父公園・御旅所に入る直前の難所《団子坂》は斜度約30度で距離はおよそ40m~50mほどであろうか。この急坂を重さ十数トンもある山車を引き上げる。山車の数か所から張られたロープを200人近い《曳き手》が引きあげる。山車の上部からのロープがあまり強すぎると山車は前につんのめってしまい、上がらないという。その曳き加減は大変難しいと言われ、何度も練習と経験を重ねてこないとスムーズには行かないであろう。

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17*中町屋台綱曳き隊:団子坂にて*曳き手の力を最大限引き出すのは、山車一番前に陣取った男たちで、いずれも力自慢の若者で占められている。全員スリップ止めの運動靴を履き、力を一点に集中出来るように掛声を掛け合っていた。

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18*中町屋台の囃し手:団子坂にて*この急坂を登りきるには途中2度ほどの休憩を取っている。曳き手のバランス指図や出発合図は、一番の年長者がしていたようであるが、「ホーリヤイ」と掛け声を掛けているのは、この薄化粧した《囃し手》である。

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19*本町屋台の曳き手の娘さん:団子坂にて*鉢巻、軍手に地下足袋を履き屋台の曳き綱を曳く女性につては、今でも、賛否両論あるが、最近では中近笠鉾以外の屋台では女性の曳き手が認められているという。たしかに、酒に酔って嬌声を張り上げるなどは祭り本来の洒落や粋とは程遠く邪道だとの意見もあるようだが、町中の男女が仲良く祭りに参加するのは見ていて微笑ましい。

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20*本町屋台が行く:団子坂にて*団子坂は急坂のため一挙には引き上げられない。途中、二度にわたる休憩では、はっぴに《達磨》とかかれた本町屋台の曳き手が車輪につっかえ棒を差し込み、屋台がずり落ちないようにコントロールする。曳き上げ再開は山車右最前列に立っているリーダーが合図を送る。

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21*中町屋台さいごの頑張り:団子坂にて*つっかえ棒を差し込んだ曳き手は屈み込んでじっと曳き上げ再開の合図を待つ。リーダーの合図と共に《囃し手》の掛け声がかかるとつっかえ棒を引き出して行く。

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22*御旅所でのひと休み:御旅所にて*団子坂を登り切り御旅所に到着すると各屋台はひと休みして後続の屋台を待っている。

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23*御旅所集合の上町屋台(右)と中町屋台(左):御旅所にて*御旅所で集合した屋台の周りを曳き手たちが囲み、それぞれ困難な曳行を振り返りながら談笑している。

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24*ひと休みの6基の屋台:御旅所にて*6基の屋台が集合すると御旅所では祭礼行事が行われ、その間、各屋台は持ち場に整列され、秩父神社の《神行祭》が終わるのを待つ。

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25*御旅所集合の下郷笠鉾(したごうかさぼこ):御旅所にて*秩父地方最大の鉾で、白木造りが特徴の笠鉾である。4300枚の飾り金具をつけ、通常は笠をはずして曳き廻される。高さ7m、重さ20トン。

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26*御旅所集合の中近笠鉾(なかちかかさぼこ):御旅所にて*総体黒塗りで彫刻で飾りつけられた宮殿風な造りは、端正で風格がある。通常は笠をはずして曳き廻される。高さ5・5m、重さ15トン。

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27*御旅所集合の宮地屋台(みやぢやたい):御旅所にて*秩父祭屋台のうち、最も古く、端正な形をしている。

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28*御旅所集合の中町屋台(なかまちやたい):御旅所にて*4台の屋台の中で一番大きな《鬼板》をつけている。

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29*御旅所集合の上町屋台(かみまちやたい):御旅所にて*4台の屋台の中で一番大きな《屋根》をのせている。

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30*御旅所集合の本町屋台(もとまちやたい):御旅所にて.*宮地屋台と共に古式な姿を残している。なお、これら4基の屋台の高さは6・5m~6・7m、重さは約12トンから5トンだそうである。

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31*宮地屋台の後幕:御旅所にて.*宮地屋台の後幕は中国の想像上の霊獣《猩々:しょうじょう》でよく目立つ。

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32*中町屋台の水引幕:御旅所にて*水引幕の亀は妙見菩薩を表わしている。後幕の《海魚》も見事である。

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33*上町屋台の後幕:御旅所にて*後幕の《鯉の滝昇り》は豪華で迫力がある。水引幕の唐獅子も見事である。

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34*本町屋台の後幕:御旅所にて*後幕の中央に《大達磨の刺繍》が目立つことから《ダルマの屋台》とも言われている。
なお、これらの屋台6基は御旅所の祭礼行事が終わると団子坂を《曳き下ろし》で帰って行く。私はこの会場に午後11時過ぎまでしか撮影していなかったので、その様子を見ていないが、計4本の綱に曳き手が腰を降ろしてつかまり、バランスを取りながらゆっくりと下って行くという。団子坂を下り、見物客も既にいなくなった夜道を笠鉾・屋台が提灯・雪洞に明かりを灯してそれぞれの町内に帰って行く・・・。こうして、冬の星空の下、祭りは終焉を迎える。笠鉾・屋台が各自町内の収蔵庫に到着するのは午前2時過ぎになるという。

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35*秩父夜祭新聞記事朝日朝刊2008-12-4*祭り翌朝の朝日新聞では、《冬の華 満開 秩父夜祭》との見出しで社会面に大きく記事が掲載され、「・・・最後の難所の急坂(団子坂)を屋台囃子(ばやし)と約5700発の花火に励まされて曳き上げられると祭りは最高潮に達した」と報道されていた。  《完》
   
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by chusan8611 | 2008-12-06 15:33 | 日本の風景